技術基準適合証明 試験までの流れと試験項目

☆ 技適認証試験を受けるまでの流れ ☆

  @テレコムエンジニアリングセンター(受験する各センター)へ可能な受験日時を問い合わせる
  A事前に必要書類を当該テレコムエンジニアリングへ郵送
  B技適認証試験

☆ 試験項目 ☆

◆ 割り当て周波数又は指定周波数
◆ チャンネルの数又は間隔
◆ 周波数の偏差                        1ch.4ch.8chの3波で測定。
◆ 占有周波数帯幅の許容値                 1ch.4ch.8chの3波で測定。   
◆ スプリアス発射又は不要発射の強度の許容値    1ch.4ch.8chの3波で測定。
◆ 空中線電力                         無変調状態で1ch.4ch.8chの3波で測定。
◆ 副次的に発する電波等の限度              1ch.4ch.8chの3波で測定。


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◆ 割り当て周波数又は指定周波数、チャンネルの数又は間隔は、皆さん存じている通りの8つの周波数です。

  26.968MHZ  26.976MHZ  27.040MHZ  27.080MHZ  27.088MHZ  27.112MHZ  27.120MHZ   27.144MHZ 
  最大 8つ

◆ 周波数の偏差   50(x10−6)

  50(x10−6)...これを見て一瞬「厳しい」と思われるかも知れませんが、実際の周波数で計算してみると
  「本当にこんな甘くて良いのか?」と思う様な数字が出てきます。
  例えて、7ch 27.120MHZの周波数偏差許容値は
約±1.356kHzにもなります。
  大げさな話、現在使われている市民ラジオにおいて「普通に交信が出来ている」固体はメンテナンスせずに
  おそらくクリアー出来てしまうレベルです。

◆ 占有周波数帯幅の許容値   

  この試験項目は厳しいです、認証試験で最大の難関だと思われます。
  認証試験時は無変調ではなく当然、変調状態で測定されます。
  実際の試験において音声入力は1.25KHzの単信号を直接入力(外部マイク端子より)し、
  その変調度が60%より+10dBで測定されます。
  
技適基準値は上記音声入力時の搬送波のピーク電力と上下側帯波、第5番目のピーク電力の差が−25dBm以上あること。
  無線機の調整箇所はドライブ段の変調の掛け方、送信ラインコア調整で、どうにか対処出来る感じですが
  SONY系変調トランスはセンタータップが存在しません。調整次第で、何とか対処出来ると考えています。
  どうしてもダメな時は現存マイクアンプの変わりに「リミティングアンプ」を音声増幅IC前に入れてやれば
  間違えなく100%クリアーさせることが出来ます。


◆ スプリアス発射又は不要発射の強度の許容値    スプリアス発射  1mW
                                    不要発射     50uW

 この試験項目は1.25KHz単信号入力、変調率60%の状態で行われます。
 ※帯域外領域(必要周波数帯(BN)の±2.5倍、±15khzは「無変調状態」で測定)
 対策としては減衰特性が急峻なLPF(ローパスフィルター)を挿入する事で対処していく方法が良いかと思われます。
 試験項目内の周波数の偏差許容値は甘いのに対してこの項目は大変厳しい値となっており
 技適認証試験で難関項目であります。


◆ 空中線電力
   指定 0.5w以下   
             偏差  +20%   −50%

 これは問題なくパスする事できます。
 空中線電力の上限は+20%時0.6wですが、
これは搬送波の0.6wです。
 認証試験時にはマイク入力端子をグランドし完全な無変調状態で測定されます



◆ 副次的に発する電波等の限度    0.4nW
 
 受信時の漏れ電波強度の事です。
 受信待機時に漏れる電波周波数としては「各チャンネル局発の周波数」「第2周波数混合に必要な局発周波数」
 また、それぞれの局発、高調波が考えられます。
 無線機の受信方式が「ダブルスーパー」なのか「シングルスーパー」であるかにより漏れ電波周波数は違いますが
 この漏れを防ぐ為に必要となるのが27MHz帯BPF(バンドパスフィルター)になります。
 
受信方式が「シングルスーパー」方式である、SONY ICB-680やICB-790、880などの無線機は
 送受信の局発周波数が非常に近い為、27MHZ帯のBPFでは減衰させる事が出来ず通り抜けてしまい
 副次的に発する電波の強度4nWを超えてしまう事が考えられます。クリアーする事は厳しいと言う事です。

 その点、ダブルスーパー方式を採用している無線機では局発周波数が27MHZ帯より大きく離れている為
 BPFで抑圧出来、4nWの上限をクリアーする事が出来ます。
 RJ−580の場合、各ch局発周波数は37MHz台、第2MIX段に使われる周波数は10.240MHzなので
 いずれの局発周波数も27MHz帯BPFでカットできることになります。
 SONYで言えばICB-770、R5、87R、870などは、同様の手法で対処出来ると思われますが
 87Rなどのハンディー機の場合、BPF/LPFを内蔵するスペースが無いので、そのスペースがあるとすれば
 電池BOXスペースを利用する他ないでしょうか。

 
※技適認証試験の際はアンテナを外し50Ωの取り出しケーブルで測定機器へ接続する事が出来る
  コネクタ付ケーブルの用意が必要です。コネクタ形状はN型、SMA型になります。
  信号取り出し端子はローディングコイル直前、直近からになります。
  測定終了後(試験終了後)その場でトルクスネジなどを使用し簡単に開封する事が出来ない様に本体カバーを
  検査官の前で締め付けることになります。



 



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